12月8日を過ぎたけど、この日はあの戦争が始まった日だ。お年寄りたちも、何も語らない(聞けば教えてくれるが)
オレは生きた証言を聞いて回っている。
そもそもオレの親父も戦争のせいで右手が動かない。
戦争で足を撃ち抜かれ指がないお婆ちゃん。これがうずくのだ。今日に至るまで。
上官に罵倒され続け、朝鮮から中国全土を戦いながら流浪して南支(中国の南の方)で捕虜になったおじいさん。おじいさんの語るところによると、イギリス兵は捕虜を「人間」として扱ったため、これまでの従軍のときを振り返ると「感動」を覚えたという。
おむつ交換のために服を開けようとすると泣き叫んで抵抗するお婆ちゃん。認知症のために意味不明だが、若い娘の頃に何かあったのかも知れない。
一番興味があった話は、台湾で菊水作戦(神風特攻隊)の送り出しに従軍していたおじいさんだ。おそらくテレビなどでは放送されない実話を聞いた。その実話が興味深かった。
特攻に出る若者たちは皆一様に飛行機に乗り、片道の燃料を積み離陸する。が、その中に「弾が出なかった」と言って帰ってくる者があったという。で、調べてみるとちゃんと出る。その後、殴る蹴る非国民恥を知れ、となる。ところが敗戦。そのような者が生きて帰ってきたのだ。命拾いしたのである。戦争は総否定され、価値観はまるで逆転した。
だから、オレは思うのだ。空気が読めないと言って非難するものもいるが、それも良いのではないかと。世の中何が正しいかわからない。自分の素直な心を聞いて行動する人がいても良いのではないかと。たしかにその空気の読めない行動の代償は支払わされると思うが、「生きて帰った」のは事実。そういう人もいたのである。
戦争を美化し、知覧の基地を訪れる人も多いそうだが、オレは生きて帰った人にも拍手を贈りたい。あの雰囲気の中で、よくぞ「死にたくない!」という心の声に従ったと。
「臨時ニュース」
大変に貴重な音源
東條英機 演説 / Speech by Hideki Tojo - YouTube
「大詔を拝し奉りて(たいしょうをはいしたてまつりて)」
「終戦放送」
玉音放送と呼ばれるものだけど、こんな貴重な放送を聞けるなんて、なんてYouTubeは素晴らしいんだ!と感激する
おわり