だいたい雑居ビルの二階(RG)
人生も後半にさしかかったからか、オレがずっとこういう老いとか死とか狂気のそばに居たからかは知らんが、なんというか、人間の人生というものに、とんでもない寂しさを感じる。
世間の皆さまが、全く感じていないのか、そう考えることがネガティブだから言わないのか、わかっていても言ってはいけないタブーなのかもわからない。
それを感じることによって益になるとも思えないが、少なくとも、いつ死ぬかもわからないし、生きていることに意味なんてないんだから、せめて死ぬまでは生きてみようか。となる。
これも、タブーなのか、みんな知ってるけど言わないのか、全くそう思わないのか、わからないが「生きていることに特に意味はない」とオレは思うのだ。意味のないことに価値観をつけて泣いたり笑ったりしているのが人間のような気がしているのだ。
例えばマンボウさんとかはものすごい卵を生むらしいが、その中で大きなマンボウにまで育つのはごく限られた数だ。でも、お母さんマンボウは悩むこともないだろう。というか、基本的に卵を生んだら死ぬ。
動物界では基本的にそうなのだろうと思う。そのことについて一喜一憂する動物もいないだろう。オレは息子が死んでも次の日には忘れているおばあさんとかを見るたびに、やはり無情というか意味のなさというか、テレビとかではこんなの流せんな。とか、思うのだ。
人間も動物だし、障害者の皆さんとかも単なる遺伝子のエラーだし、ガンもそうだし、そこに特に意味はないと思うのだ(現実を見てると)変に特別扱いすることもないのかもしれない。同じ人間だ。オレも間違いだらけでどうのしようもない部類の人間だと思う。ただ、それをそのまま言うと曲解する人間が出る恐れがあるのでひた隠しにしているか、キラキラした世界に生きていたいから見ないようにしているか、単に知らないだけなのかはわからない。
オレみたいなのにわかるわけがない。謎である。
ただ、「わからない」ということだけがわかるのである。
おわり