Deracine shimaken!2

散歩とか食べ物の記事が多いブログです。日記みたいなものです。

待合室で

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人間はかってに生まれて、どんどん弱り、かってに死ぬ。
当たり前のことである。

それは、どんなに優れた人でも、そうでなくても、裕福でも貧賤でも、基本的に同じである。その当たり前に「納得がいかない」から、不平や不満になる。人間、下り坂になると、体のあちこちが傷んでくるのも、当たり前である。
心は若いままでいる。ここで、心と体のギャップが生まれる。それで、心を体に合わせようと発展していったのが、宗教だと思う。現代は宗教という心の科学、ではなく、体の科学に介入した。それが、医学だと思う。医学が大幅に進歩し、自然の営みが大幅に狂ってきたのも、せいぜい人間一万年の長い歴史のうち、二十世紀に入ってからのたかだか百年ぐらいの、ここ最近の話である。
テレビをひねってみても、健康番組ばかり。心の成長が追いつかない「心の若者」たちの欲望に付け込んだサプリメントなるもの多数。
人間の欲望は膨れ上がるばかりであり、とどまるところを知らない。
ネコでさえ自分の死期を悟ると、人前から姿を消す。動物界では、当たり前のことが息づいているのだ。
老いた自分を認め、受け入れる。最初に書いた「当たり前のこと」を「ありがたい」ものととらえる。成長の行き着く先は死。そのことは、空しいことでも寂しいことでもなく、素晴らしいことだ。心も、体の成長(老化)にあらがうことなく、納得する。心も体とともに成長する。そうすると、
今、生きている瞬間が輝き出す。のではないか

真剣にそう思い書いたが、かっこつけすぎか

 

それが、なかなかできないのが人間(わたくし)。欲望からなかなか抜け出ることができない。

「それもいいんだよ」と、このわたくしを丸ごと受け入れてくれる存在があって初めて、完結する理論なのかも知れない。