今は仕事の昼休みですよ。
人には何を言っても完全には伝わらない。
そんな当たり前のことを、ぼくは二十歳の頃には気づいていました。で、深い孤独に悩み続けることになったわけです。今となってはアホらしいことだったということもわかりますが、例えば友達がいるから寂しくない。とか家族がいるから安心。とかいうこととは、全く違うことを考えていたのです。
奥さんがいても子供がいても、親友がいても人間は孤独だと思います。言っていることが伝わらない時に、特に孤独を感じるものです。生まれてくるのも、死ぬのも必ず一人(双子とか、心中や災害、戦争などを除くと)だと思うので、生死のあいだが全て孤独というのも当たり前といえば当たり前かも知れません。
自分の言うことを他人は理解できないのです。で、相手がわかりやすいような言葉などを使って説明しますが、自分の心のこととなるとムリです。人間は誰でも、究極的には自分のことが一番大切なのは当たり前で、人の話も「わかったふり」をして聞いてあげるのが親切なのです。
人間にはムリなのだろうと思います。
自分は人の話を聞いている時、〜とは〜と言うことなのかい?などと尋ねながら聞きますが、一番大切なのは、相手が「聞いてもらった」という感想を持つことなのであって、実は理解しているか理解していないかは、そんなに大切ではないと思っています。相手さえ喜べばそれで良いのです。
で、人間には自分のことは理解できない。ということは二十歳の頃には気づきましたが、自分のことを理解してくれる存在がいることに気づくまで、なんと25年もかかりました。考えてみると、自分にも自分のことはよくわかりません。多分、ぼくも人間だからでしょう。
今は、「孤独ではありません」
おわり