オレはかなりのアホで、金沢の看護学校には無一文で来た。バイトで生活費を賄うつもりで、実際にそのようにやっていた。最初は新聞配達、次は夜中にホテルでベルボーイをしていた。土日はスーパーのワックスがけや、右翼団体の式典の会場設営などもやった。
生活苦に追われ成績もどんどん下がったが、その当時のオレは全然悩むこともなく、なんか、まあ、適当に生きていた。こんな追い込まれている状況なのに、金沢美大の学生と遊び、エイサーまでやっていた。(今考えてもあのバカなバイタリティはどこから来ていたのだろうか)
だが、資金繰りが悪化し、とうとうサラ金から10万円を借りて学費を払う事態になった(一年生の9月頃)
オレは無利子で借りられるような優秀な人間ではなく、親も金持ちだったため、3%で300万円の奨学金を日本育英会から借りたのだ。
仕事につき、返済が始まった。
毎月16121円。オレは一切繰り上げ返済しなかった。
仕事について16年。
今日、その返済が終わったのだ。
おめでとう、オレ。よく頑張った!オレ。
本当の意味で、借金のない人生が、今、始まる。
おわり